ピル・避妊相談(低用量、アフターピル)

低用量ピル

低用量ピル女性が正しく服用することで100%近い避妊効果が得られ、生理痛や生理前の不調を改善する効果や生理周期を整える効果も期待できます。一般的には、経口避妊薬、OC(oral contraceptives)と呼ばれていて、月経困難症や子宮内膜症などの治療にも使われています。
当院では低用量ピルについてわかりやすくご説明し、服用のアドバイスを行った上で、安心して服用できるようきめ細かくサポートしています。

低用量ピルの成分や効果

卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれていて、毎日服用することで排卵抑制や子宮内膜の増殖を抑えるなどによって100%近い避妊効果を得られます。コンドームよりもはるかに高い避妊効果を得ることができ、生理痛などのトラブルを解消にもつながるため、女性がご自分のお体をしっかり守ってコントロールし、快適に生活するために役立ちます。

こんなお悩みがある方に低用量ピルをお勧めします

など

ピルの価格

月経困難症など生理に関わるお悩みの治療目的の場合には、保険適用で処方をしております。
自費のピルは、当院ではマーベロン、ファボワール、トリキュラー、ラベルフィーユを取り扱っております。

ピルの効果

避妊薬として100%近い効果があるだけでなく、女性ホルモンをコントロールすることで生理に関する様々な不調の解消や、子宮内膜症の治療にも使われています。
低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれていて、それが脳下垂体に働きかけることで卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌が抑制されて、高い避妊効果や生理トラブルの解消などにつながります。

避妊効果

正しく低用量ピルを服用した際の避妊失敗率は0.3%とされています。コンドームの避妊効果は最大限高く見積もっても2~15%が避妊に失敗すると指摘されています。また、中絶手術を受けた方の4人に1人はコンドームを使っていたのに妊娠したと報告されたこともあります。

低用量ピルでは、下記の3つの理由によって高い避妊効果を得られます。また、妊娠を望む時期になったら、服用を中止することで排卵が再開され、妊娠が可能な状態になります。

1.排卵抑制

卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌が抑制されることで、排卵が起こらなくなります。

2.精子の子宮内進入

子宮の入口である子宮頚管の粘液を変化させることで、子宮に精子が入りにくくなります。

3.受精卵着床抑止

子宮内膜を変化させることで、排卵が起きてしまった場合でも受精卵の着床を抑止します。

避妊以外の副効用

避妊という本来の効能以外に、低用量ピルには好ましい効果である副効用がいくつもあります。

  • 生理不順改善
  • 生理痛軽減
  • 経血量減少(貧血改善)
  • 生理前の肌荒れ・ニキビ改善
  • 頭痛・下腹部痛・イライラなどの生理前症状(PMS)軽減
  • 子宮内膜症の予防・改善
  • 子宮体がん・卵巣がん・その他の卵巣疾患の予防

低用量ピルは、重い生理痛などを起こす月経困難症、生理前に心身の不快症状が現れる月経前症候群(PMS)、そして子宮内膜症の改善にも高い効果が見込めます。
また、生理が28日周期に整い、生理がいつ来るか把握しやすくなるため、体調管理だけでなくスケジュールを立てる際にも役立ちます。
また経血量自体が減りますので神経質になる必要がなくなり、貧血改善にもつながります。
さらに、医師の指導の下で服用を調整し生理日を遅らせる・早めることができますので、重要な予定がある場合にも生理がぶつからないようにすることも可能です。

ピルの副作用

ピルの副作用は服用開始時にまれに起こることがありますが、その場合もほとんどが3か月以内に落ち着き、何もないという方がほとんどを占めます。

ピルのトラブル

など

最も多いのは不正出血です。色がついたおりもの程度が多く、生理最終日のような出血が続くこともあります。1か月後にはかなり減ってきますが、不正出血がある場合には受診の際にご相談ください。
頭痛がある場合は、市販薬を飲んでも構いません。また吐き気がある場合には、受診時などにご相談いただければ吐き気止めなどの処方も可能です。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

血栓症について

血栓症について

まれですが、ピルの服用による血栓症の発症リスクはゼロではありません。脳卒中、心筋梗塞など重大な発作を起こさないためにも。リスクと初期症状についてしっかり理解し、万が一徴候を感じたらすぐに服用を中止してできるだけ早く受診できるようにしておきましょう。
1年間にピルを服用している1万人がいた場合、9人が血栓症を発症するとされています。死亡するケースは10万人に1人とされています。

ピルの服用方法

毎日、同じ時間帯に1錠服用します。食事に影響されないため、ライフスタイルを考慮して一番飲み忘れをしにくい時間帯に決めて服用します。毎日、習慣的に行っていることのタイミングに合わせると忘れにくいのですが、その際には休日にも行うことをチョイスすることが大事です。なお、当院では初めて服用する方には、夕食後から就寝前の服用をお勧めしています。また、服用が習慣になってくると「今日の分を飲んだかどうかよく覚えていない」ことも起こることがあります。それを防ぐためにも、飲んだことが一目でわかるようにしておくことが有効です。
なお、お子様がいる場合には、お子様が手に取れる場所に置いてしまうと口にしてしまう可能性がありますので、他のお薬と同様に保管場所にご注意ください。

ピル処方に関するご注意

処方できないケースもあれば、服用に際して注意が必要なケースもありますので、あらかじめご了承ください。

処方ができないケース

  • 35歳以上で、1日15本以上喫煙している
  • 前兆のある頭痛がある
  • 高血圧・脂質異常症(高脂血症)がある
  • 乳がん・子宮頚がん・子宮体がんがある

ピルの服用は禁煙してからが推奨されています。年齢や本数にかかわらず、できれば禁煙しましょう。
前兆のある頭痛がある場合、脳卒中リスクが2~4倍になると報告されています。頭痛のある方で前兆の有無が判断できない場合、脳神経外科を受診することでリスクを判断する必要が生じることもあります。
高血圧・脂質異常症(高脂血症)に関しては、治療を受けて適切な血圧・脂質にコントロールできていて、他のリスク要因がない場合にはピルの処方が可能になることもあります。

慎重な投与が必要なケース

  • 40歳以上
  • 喫煙している
  • BMI30以上

40歳以上は脳卒中や心筋梗塞などの疾患発症リスクが上昇しはじめるため、ピル処方は慎重に行う必要があります。また、習慣的な喫煙をされている場合や、BMI30以上の肥満がある場合も、脳卒中や心筋梗塞などの疾患発症リスクが高い状態ですので、注意が必要です。

他にもいくつか注意が必要な疾患や症状があり、上記以外の理由によって医師の判断で処方ができない、または慎重な処方が必要になることがあります。

アフターピル(緊急避妊薬)

避妊をしなかった、もしくは避妊したけれど失敗して、それによる妊娠を希望していない場合に、緊急措置として性行為後72時間以内に服用する緊急避妊薬による避妊方法です。「モーニングアフターピル」とも呼ばれていて、できるだけ早い服用によって妊娠を阻止する効果も高くなります。
ただし、時間内に服用しても100%妊娠を防げるわけではありません。薬の種類によって妊娠阻止率が変わり、一般的には72時間以内の服用で約70%以上とされています。

こんな場合にできるだけ早い受診をお勧めします

  • 避妊をしない性交渉を行った
  • 膣外射精だから大丈夫と言われた
  • コンドームが破れた・外れた・漏れたなどがあった
  • トラブルがあったような気がして不安
  • 途中からコンドームをつけた
  • コンドームをきちんとつけていたかわからない
  • 性暴力被害にあった

上記のような場合は、できるだけ早くご相談ください。

当院で処方しているアフターピル

レボノルゲストレル錠

ノルレボ錠当院では、避妊効果が高く、副作用が少ないレボノルゲストレル錠を処方しています。これは2011年5月、日本で初めて承認された緊急避妊薬であり、WHO(世界保健機関)もエッセンシャルドラッグ(必須薬)としています。

レボノルゲストレル錠が承認される前は、日本には緊急避妊薬がなく、中用量ピルのプラノバールを2錠服用し、12時間後に再び2錠服用するヤッペ法が行われていました。ヤッペ法はレボノルゲストレル錠に比べると妊娠阻止率が悪く、吐き気や嘔吐などの副作用を起こしやすいという問題がありました。
レボノルゲストレル錠は、副作用が少ないだけでなく、服用が1回だけですみ、妊娠阻止率もかなり高くなっています。心身への負担が少なく、効果や安全性も優れているため、当院ではレボノルゲストレル錠を処方しています。
ただし、レボノルゲストレル錠は妊娠を阻止する緊急避妊薬であり、人工妊娠中絶薬とは異なります。この人工妊娠中絶薬は、日本ではまだ承認されておらず、入手はできません。

アフターピルの効果

レボノルゲストレル錠は、排卵前・排卵後といった服用時期により、「排卵を遅らせる」「受精卵が子宮に着床するのを阻害する」効果によって直前の性行為による妊娠を阻止するとされています。

排卵を遅らせる

レボノルゲストレル錠を服用すると排卵が数日間抑えられます。これによって受精機会をなくして妊娠を阻止します。

受精卵の子宮着床を防ぐ

性行為後、排卵していた場合には子宮内膜の増殖を防いで受精卵の着床を防いで妊娠を阻止します。

レボノルゲストレル錠の妊娠阻止率

妊娠阻止率とは、排卵日付近の妊娠しやすい時期の性交渉があった際に服用することで、妊娠を防ぐ確率です。わかりやすく表現すると、危険日の性交渉後の服用によって妊娠を防ぐ確率です。
100%妊娠を阻止できるわけではありませんが、2016年8月にあすか製薬株式会社がレボノルゲストレル錠の使用成績調査結果を報告しており、それによると妊娠率0.7%、妊娠阻止率は90.1%とされています。
なお、妊娠阻止率は性交渉後、服用までの時間が長くなるのと比例して低下していきます。服用が早ければ早いほど高い効果を期待できるため。「もしかしたら」と思ったら迷わずすぐに受診してください。
なお、緊急避妊薬ですので、性交渉後に服用することで効果が見込めます。服用してから行った性交渉に関しては効果が見込めませんのでご注意ください。

アフターピルの副作用

まれに、下記のような副作用が起こることがあります。

強い症状がある、または長く症状が続く場合にはご相談ください。

アフターピルの服用方法

妊娠の可能性のある性行為を行ってから、72時間以内にレボノルゲストレル錠を1錠服用します。
服用のタイミングが早ければ早いほど高い効果を見込めますので、できれば性交渉から24時間以内の服用をお勧めしています。

妊娠が回避できたかの判定について

生理予定日に通常通りの出血があった場合には、成功している可能性が高く、アフターピル服用から10日程度経過してから消退出血(通常の生理より少量の出血)があった場合も成功の可能性が高いと判断できます。
ご注意いただきたいのは、不正出血や生理不順など、妊娠か生理か判断しにくい状況になるケースもあることです。基本的には、性交渉から3週間以上経過してから妊娠検査薬を使って妊娠していないことを確かめることをお勧めしています。
また、生理が予定よりも1週間以上遅れている、出血が通常の生理より軽いという場合には、受診が必要です。

北品川藤サテライトクリニック
住所 〒140-0001
東京都品川区北品川1‐24‐26
電話番号 03-3471-9957
 
09:00-12:30
14:30-18:00

休診日:木曜・日曜・祝日
産婦人科:第1・第3・第5土曜日 休診

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