当院の特徴
当院では、周産期専門医、超音波専門医、臨床遺伝専門医の資格を持つ経験豊富な医師が診療を担当しております。
妊娠中の健康管理から、出生前診断や合併症に関する専門的なご相談まで、あらゆる妊娠期のニーズにお応えします。
また、愛育病院や東京品川病院をはじめとする信頼できる医療機関と連携し、万が一の際にも迅速で適切な対応が可能です。安全で安心できる出産をサポートするため、充実した医療体制を整えています。
妊娠や出産に関するお悩みやご相談があれば、是非お気軽にご相談ください。
妊婦健診について
これからママなられる方は、新しい命を宿して、誕生までを心待ちにされている時期であり、お体の変化への戸惑いやご不安もあると思います。妊娠はお子様と一心同体でいられる貴重な期間ですので、これから起こる心身の変化をしっかり理解することが重要です。
当院では、ママと赤ちゃんが最適な状態で出産を迎えられるよう、スタッフ全員が親身に寄り添って快適で楽しい妊娠生活をサポートしています。安心してご相談ください。
母子手帳をもらいましょう

母子手帳は、妊娠・出産の経過だけでなく、予防接種や健康診断など小学校入学までの発育・発達の記録を残すための重要な役割を持っています。妊娠がわかって、出産予定日を医師に確認したら、手続きをして母子手帳を受け取ってください。手続きは妊婦さんの住民票がある地域の区役所(市区町村役所)、出張所、保健センターなどで可能です。
妊婦の健康状態のページにチェックを入れて必要事項を記入し、職業や環境などのページも記入してください。妊婦自身の記録は気がついたことを記入しますが、妊婦健診で質問したいことを記入している方もいらっしゃいます。
それ以外の部分は、出産までに、そして赤ちゃんの誕生後に記入します。
なお、母子手帳と同時に、健診券(健診費用の補助券)が交付されますので、これにも記入して受診の際には毎回ご持参ください。なお、市区町村によって妊婦健診補助の内容が変わることがあるため、発行された市区町村ではない場合には使用できないケースがありますので、受付で最初に確認してください。
妊婦健診を受けましょう
赤ちゃんの成長や発育のためにも、ママの健康は重要な意味を持っています。妊婦健診は、妊娠週数に合わせてママの健康状態をチェックし、赤ちゃんの成長を確認します。時期によって検査項目が変わり、重要なポイントも変化しますので、推奨スケジュールを守って定期的に検診を受けることが大切です。妊娠中は安全第一ですので、予約日に受診できないこともあると思いますが、その際には1週間以内に必ず受診してください。
妊婦健診の受け方

当院ではお待たせしないためにも、ご予約をお願いしています。
いくつかの検査を行うことがありますので、時間に余裕を持っていらしてください。
ご予約の時間の少し前にご来院され、受付にお声がけいただき、母子手帳と健診券をご提出ください。
トイレに行って採尿容器にママの氏名を記入して採尿し、提出用の小窓に置いてください。
記録紙にママのお名前を記入して、体重と血圧を計測して受付に提出します。なお、この時に血圧が130/90以上の場合には、5分ほど椅子に座って安静に過ごした後で再度測定します。
妊娠週数によって必要な検査がある場合には、そのご案内をしますので、検査を受けてください。
医師が診察を行います。気になることなどがありましたらなんでもご質問ください。
終了後は、お会計し、次回健診の予約をしたらご帰宅です。
出生前診断
出生前診断は、妊娠中に赤ちゃんの先天性疾患の可能性を調べる検査のことをいいます。 小さなものなどを含めると、生まれてくる赤ちゃんの3〜5%は、何らかの先天性疾患を持って生まれてくると言われています。出生前診断でわかるのは、そのうちのごく限られたものになります。
出生前診断の主な目的は、出生直後に治療が必要になる疾患や、長期的なサポートが必要になる疾患を生まれる前に診断する事によって、生まれてすぐに適切な治療が提供できる施設にご紹介したり、事前に必要な情報を提供して、準備が出来るようにする事です。 出生診断は、妊娠初期〜中期には主に赤ちゃんの染色体疾患の有無について調べる検査があり、妊娠中期以降には胎児スクリーニング超音波検査によって主に赤ちゃんの形態異常の有無を調べる検査を行います。
妊娠初期〜中期
赤ちゃんの先天性疾患のうち、主に、ダウン症候群(21トリソミー)や18トリソミーなどの染色体疾患について調べる検査があります。
出生前診断にはいくつかの方法があり、赤ちゃんや妊婦さんの体に与える影響や目的に応じて選ぶことができます。
すべての人が受けないといけない検査ではなく、生まれる前に情報を得ておくことで準備ができる一方で、検査に関することで不安になったり、結果によって不安が増してしまうこともあります。
そのため、検査を受ける前には、検査によってわかることや詳しい内容をよく理解していただくことが必要です。当院では、出生前診断をお考えの方には、臨床遺伝専門医より検査前に遺伝カウンセリングを行わせていただき、そのうえでご自身で納得して判断できるよう、サポートさせていただきます。
出生前診断は、赤ちゃんの健康やご家族の今後の生活にかかわる重要な検査です。
そのため、検査を受ける前に「どのような情報が得られるのか」「結果にどう向き合うべきか」など、十分な理解と納得をされたうえで進めることが大切です。
不安や疑問を安心してご相談いただける場を提供いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
クアトロテスト
クアトロテストは、妊婦さんの血液中に含まれる4種類の成分(AFP、hCG、uE3、Inhibin-A)を測定することで、赤ちゃんの特定の染色体疾患や神経管閉鎖障害の可能性を調べる検査です。
特徴
- 妊娠15週から検査実施可能
- 血液採取のみで行えるため、侵襲性がなく安全
- 対象疾患はダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、新景観閉鎖障害であり、それらのリスクを推定
- 確定診断ではなく、「リスクが高いかどうか」を判断するスクリーニング検査
NIPT
NIPTは、母体の血液に含まれる胎児由来のDNAを解析することで、染色体疾患のリスクを高精度に判定する検査です(現在当院では扱っておりません)。
特徴
- 妊娠10週から検査実施可能
- 対象疾患はダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなど
- 血液採取のみで行えるため、侵襲性がなく安全
- 検査精度が高い
- 確定診断ではなく、スクリーニング検査
妊娠中〜後期 胎児スクリーニング超音波検査
通常の妊婦健診での超音波検査では、主に胎児の発育や羊水量などを観察します。それに対し、胎児スクリーニング超音波検査は胎児の形態を詳しく観察する検査で、当院では妊娠20週と30週に超音波専門医による検査を実施しております。
RSウイルスワクチン
当院では、妊婦さん向けの新しいRSウイルスワクチン「アブリスポ」を扱っております。妊娠中に接種することで、母体の抗体が胎盤を通して胎児に移行し、生後6か月程度までの赤ちゃんをRSウイルスから守ります。 妊娠28週以降での接種を推奨しております。 接種をご希望の方や詳細についてお知りになりたい方は、お気軽にご相談ください。
妊娠中の体の変化
つわりについて

つわりの内容、強さは個人差が大きくなっています。つわりの時期に嘔吐が続いて結果的にほとんど食べられていなくても、水分さえしっかりとれていれば赤ちゃんに悪い影響は及びません。つわりが軽くなるまで、心配せずにお過ごしください。また、つわりは、早ければ生理が少し遅れていると気付いた時期に始まることもあります。
つわりがある時期は、食べられるものを少しずつ食べるようにしてください。症状がつらい場合や、水分補給が十分にはできないという場合にはすぐに受診してください。
つわりで歯磨きがつらい場合は、できる部分だけ磨く、外に向けて歯ブラシで汚れをかき出すように動かす、歯間ブラシなどを使うなどで工夫して行ってみてください。それもつらい場合には、刺激の少ないマウスウォッシュや水で口をすすぐようにしてください。
受診の目安
- 1日10回以上嘔吐がある
- 水分をとっても吐いてしまう・水分がうまくとれない
- 排尿回数が1日3回以下
食事について
つわりが解消し始めたら、赤ちゃんの発育のために、そして出産や授乳を控えたママの体力や健康を維持するためにも、食事をはじめ、以下のような生活に注意が必要になります。
- 規則正しい生活
- 1日3食をできるだけ毎日同じ時間にとる
- 腹八分目を心がける
- 野菜を中心に栄養バランスの良い食事。
- 鉄分・カルシウムを十分にとる
- 油分の多いもの、塩分の多いもの、甘いものは控えめにする
- 蒸す・網焼き・ボイルなどヘルシーな調理を心がける
- 加工食品、インスタント食品、レトルト、ファストフードは避ける
- 最低20分以上かけてゆっくり食事をする
- 間食や夜食はできるだけ避ける
- 就寝前の2~3時間はなにも食べないようにする
- 加熱が十分ではない食品を避ける(生肉・刺身、中がレアな肉や魚、チーズ、生ハム、生卵など)
便秘について
妊娠中はホルモンバランスが変わるため、腸の働きが低下して便秘しやすい傾向があります。食物繊維の積極的な摂取、医師の確認を受けた散歩程度の軽い有酸素運動は便秘解消に有効です。また水分が不足すると便秘になりやすいため、適度な水分をとるようにしてください。納豆や乳酸菌飲料、ヨーグルト、味噌などの発酵食品も腸内細菌叢を整えて腸の働きを助けるために役立ちます。
体重について

妊娠中は胎盤や赤ちゃんが育つため、体重が増加しますが、その時期の適切な体重を超えてしまうと妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の発症リスクが高くなってしまいます。また、おなかの赤ちゃんにも様々な悪影響を及ぼす可能性があります。過度の体重増加によって産道や子宮にも脂肪がついてしまうため、微弱陣痛や難産の原因になることもあります。妊娠前の体型によって適切な体重の目安は変わってきますので、体重が増えすぎないようしっかりコントロールしながら、赤ちゃんの成長に必要な栄養素はしっかりとるようにしてください。
母子手帳には、妊婦の健康状態等というページに現在の状態を評価できるBMIの計算式がありますので、計算してみてください。母子手帳の妊娠中と産後の食事ページには、体重の増加や食事に関する情報が記載されていますので、それを参考にしてください。
適切な体重に保つために
毎日、体重を計測して記録する
食べるものは、毎回スマートフォンで撮影する
体重が増えすぎたら、数日間の食事内容を見直して、注意点を確認してください。
妊娠初期の出血
妊娠初期には妊婦全体の約2割が出血を経験するとされています。胎盤の形成によって起こっているケースもあれば、胎盤などの外に血腫ができて生じる場合もあります。原因は様々で、出血の程度もごく少量から生理2日目のような出血を起こすこともありますので、下記のような場合には速やかな受診が必要です。
受診の目安
- 生理の2日目程度あるいはそれを超えるような出血があった
- 出血に生理痛のような下腹部痛もある
- 血のかたまりが出てきた
- 妊娠12週以降で出血した
なお、出血量に関係なく、出血があった場合にはまず電話などでご相談ください。
妊娠中の感染症
妊娠中にウイルス・細菌・真菌・寄生虫などに母胎が感染した場合、赤ちゃんに感染して障害を起こす可能性のある感染症があります。妊娠中には感染しないよう注意が必要ですので、予防についてしっかり理解することが重要です。
妊娠中には風疹・麻疹・水痘・おたふくのワクチン接種はできません。妊娠初期に行った検査で風疹の抗体価が低い場合には、ご自身の予防に十分気を付けた上で、同居しているご家族に予防接種を受けてもらうことをお勧めしています。
品川区では、妊娠している方のパートナーの風疹抗体検査を区の契約医療機関では無料で受けられます。また、この検査で抗体価が低い場合には無料で予防接種を受けられます。
運動について
運動を始める時期は、つわりが落ち着いて体調が安定する16週以降を目安に、医師と相談して開始時期や内容を決めてください。特に決まった運動をする必要はなく、散歩や家事などで体を動かすだけでも血液循環が改善して体調を整えやすくなります。適度な運動は、出産に必要な筋肉を保つためにも重要です。ただし、マタニティビスク、マタニティヨガ・マタニティピラティス、マタニティスイミングなどに関しては、内容や頻度を医師と相談してから行うようにしてください。おなかが張りやすい場合は切迫早産につながる可能性もあり、高血圧がある場合は悪化につながるケースもありますので、無理のない範囲で行うことが重要です。
夫婦生活について
妊娠中には、腹部の圧迫や無理のかかる体勢は避ける必要がありますので、夫婦生活にも注意が必要です。医師が許可している場合も結合が深くなる体位を控え、穏やかな性交渉を心がけてください。コンドームを最初から正しくつけ、出血や痛み、違和感がある場合は即座に中止してください。またオーラルセックスも避けてください。